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みなさん、こんにちは。 新宿御苑に今春オープンしたスターバックスをご存じでしょうか? スターバックスというと、近年、様々な地域にその土地ごとの特徴をもった店舗がオープンしていますよね。 ご当地スタバが観光地の新たなスポットにもなったりして。 おいしいコーヒーを飲むためというより、それぞれの店舗ならではの雰囲気を体験しに行くという、独自の路線を開拓して人をひきつけている新しいタイプのチェーン店ですね。 古い建物をリノベーションして新しい店舗をオープンさせているところも多いようです。 私たちの設計事務所は新宿御苑から徒歩数分という場所にあります。東京でもイチョウの紅葉が目を楽しませる中、御苑のスターバックスに向かいました。 新宿御苑のスターバックスもリノベーションでみごとに再生した建物で、国産の木材を多く用い、自然の木の質感の良さを感じさせる建物になっています。 傾斜を利用した建物下の部分はオープンスペースになっています。 さらに、この日は素敵な発見がありました。 私たちの設計事務所ではこれまでにも障害者支援施設の設計に携わらせていただく機会があり、ちょうど今も計画中の施設があります。 身近にこういった取り組みを見ると障害のある方の就労やそれを支えるスタッフの方々を応援したくなります。さっそく1階のショップではちみつを買って帰りました。 モノがあふれ、コロナによる自粛が続く現代、こういった体験の価値が評価される時代かもしれません。 #
by k2_plan
| 2020-12-04 18:09
| スタッフのつぶやき
次に向かったのは「神宮通公園トイレ」、建築家の安藤忠雄氏の設計です。 ややすり鉢型の円筒の上に円形の屋根、暗いグレーで統一された色調。 近づいてみると、外側の壁面は縦格子になっていて、トイレの周りをぐるりと巡っています。目隠しのため、スリット部分とそうでない部分が組み合わされています。 中の廊下部分を歩くと、外側の壁が斜めに立った縦格子がカーブしている状態なので、目の錯覚か、トリック空間のような不思議な感覚に襲われます。 このトイレのコンセプトとして安藤氏は「あまやどり」と名付けています。 私は見学した後でそれを知ったのですが、なるほどと納得させられました。 大きくせり出した庇の下に、なんとなく人は寄り添いたくなります。 上に向かうにつれ径が大きくなる円い筒の形には、来るものを拒まず受け入れ、包み込む感じがあります。 縦格子の壁がトイレの周りを囲み、庇が出ていることで、「トイレ」でありながら、人がたたずむことのできる空間を作り出しています。 地面のタイルも庇と呼応する形で円になっていて、これも庇の下の空間に意味を与える働きをしていますね。 一見、地味で暗めの色調も、主張しすぎず、公園の雰囲気になじんでいます。 近くには宮下公園を再開発した施設があり賑わっている界隈ですが、この公園じたいは日常どこにでもあるような公園で派手さはありません。 「あまやどり」という言葉を知ってからこのトイレを見ると、周囲の環境を邪魔しないように、しかし安定した存在感をもって、いつもみんなを見守っている「大きな木」のように思えてきました。 #
by k2_plan
| 2020-10-28 18:25
| スタッフのつぶやき
みなさん、こんにちは。 季節は夏から秋に移り、東京もずいぶんと過ごしやすくなってきました。 爽やかな風と光に誘われて、外へ出かけたくなる季節です。 私たちは渋谷区にある公共トイレの見学に行ってきました。 トイレの見学?と思いますよね。 今、渋谷区では区内17か所の公共トイレを新しく生まれ変わらせる「THE TOKYO TOILET」というプロジェクトを行っています。国内外で活躍している建築家やデザイナーが各トイレのデザインを担当し、現在までに7か所のトイレが完成しています。 全体の形は、多目的トイレ、女子トイレ、男子トイレの3つのボックスが並んだシンプルなもの。でも、なんと、中が透けて見えるガラスの箱なのです。それぞれ薄いグリーンやブルーの色がついたガラス張りで、人が入っていないときは外からも中の様子が見えます。 女子トイレの中に入ってみました。 鍵をかけると不透明になり、中は見えなくなります。写真の右端が使用中の状態。色はクリアなセロハンから柔らかなパステルカラーに変わる感じです。写真で見るといろんなものが映り込んでいますね。電圧のオン・オフで透明・不透明になる特殊なフィルムを使用しているそうです。 トイレの中は空間的にもスペースに余裕があり、外部との境界はガラスなので、トイレらしからぬ(?!)開放感があります。隣のトイレとの境は一面が鏡になっていました。真ん中の女子トイレは両側が一面の鏡なので、いっそう不思議な感覚を覚えます。こんな非日常的なアートな空間で用を足していいのかと、少し戸惑ってしまうほどです。 見学したのは日中ですが、夜に撮影された写真を見ると、行燈のように色ガラスを通した優しい光を放ち、いっそうデザイン性が際立ちます。 中が見える透明トイレ、斬新な発想と現代の技術によってできた新しいトイレのアイデアですね。これまで公共トイレというと、汚い、危険、入りたくない、というイメージがありましたが、外から見えることで清潔さや安全性を保つことにつながります。 何よりも、トイレでありながら現代アートの作品のようなものが街中にあるのはいいですね。私たちの目を楽しませてくれて、街の雰囲気も良くなる気がします。プロジェクトによって実現できた一つの実験ですが、トイレという建築の既成概念を開放させる試みとしておもしろいと思いました。実用的に公共空間に必要なものだからこそ、デザインを工夫することで、感性的にも人の心を豊かにするものが増えるといいなと思います。
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by k2_plan
| 2020-10-12 14:55
| スタッフのつぶやき
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