建築学会・公開研究会『社会システムと場所の質からよみとく北欧の「ふつう」の生活』

昨年の１２月ですが、建築学会の公開研究会に行ってきました。
なぜ北欧は福祉が充実しているのかという内容です。

北欧の国々はその昔、北極に近いこともあり貧しい国だったため、
人々は厳しい自然と共存しながら、生きるために支えあってきました。

そうして生きてきた人たちにとっては、
福祉に対しての負担は大きくとも（高い消費税率など）、
公共整備や福祉対策に平等に分配されるのであれば良しと考えています。

近年は在宅での【自立】と【自律】のための支援制度が整備され、
介助の制度が充実し、建物の改修がしやすくなり、
北欧は福祉の分野で最先端を行く地域となったのです。

以上がおおまかなまとめになります。
しかし、日本にも同じ状況を持ち込めるのかといえば、
歴史、社会、環境、風土などが異なるため、
無理が生じるのではないかと考えられます。


そこで、講演の最後に出た話題がありました。
それはコレクティブハウジングというものです。

家族ではない人々が集まり、
一つの家で助け合いながら生きていくのですが、
この住まい方は嫌が応にも社会性を求められるため、
老化防止にも効果があると言われています。

昨今は行政により作られた社会保証制度に頼るだけでは
不安な部分があります。

コレクティブハウジングという住まい方と建築的工夫により、
お互いに助け合いながら生きていくことが習慣化すれば、
日本の老後のあり方も変わるのではないかと感じました。