スターバックス新宿御苑店

みなさん、こんにちは。

新宿御苑に今春オープンしたスターバックスをご存じでしょうか？

スターバックスというと、近年、様々な地域にその土地ごとの特徴をもった店舗がオープンしていますよね。
ご当地スタバが観光地の新たなスポットにもなったりして。
おいしいコーヒーを飲むためというより、それぞれの店舗ならではの雰囲気を体験しに行くという、独自の路線を開拓して人をひきつけている新しいタイプのチェーン店ですね。
古い建物をリノベーションして新しい店舗をオープンさせているところも多いようです。

私たちの設計事務所は新宿御苑から徒歩数分という場所にあります。東京でもイチョウの紅葉が目を楽しませる中、御苑のスターバックスに向かいました。
新宿御苑のスターバックスもリノベーションでみごとに再生した建物で、国産の木材を多く用い、自然の木の質感の良さを感じさせる建物になっています。
暗い色調の入母屋造りの屋根は軒先部分が内側にカーブした「みの甲」と呼ばれるデザインになっています。落ち着いた和の奥ゆかしさが感じられ、訪れた人をやさしく包み込む印象があります。入口の看板もグレーの壁面に木材をカットした文字でユニークですね。テラス側の席からはガラス越しに美しい池の景色が広がります。しかもこの日は前日の雨模様とは打って変わってこの上ない晴天、都庁の建物までよく見えます。まさにコーヒー1杯で、至福のひとときを過ごせる貴重な空間、、、人気があるのもうなづけます。テラス部分の屋根裏も室内と同じく板張りです。
こちらはテラス下から見た建物の様子です。平屋で縁側のある建物は京都のお寺の雰囲気に似ていますね。
傾斜を利用した建物下の部分はオープンスペースになっています。ちょうどお昼時になったので四谷図書館の上にあるモスバーガーへ。ここも窓からの眺めがよくて、できたばかりの国立競技場がすぐ近くに見えます。
さらに、この日は素敵な発見がありました。養蜂の巣箱です。「しんじゅQualityみつばちプロジェクト」という取り組みで、障碍者就労支援の一環として養蜂から蜂蜜の商品化まで行っているそうです。ここのミツバチは新宿御苑の花の蜜を集めてくるのですね。
私たちの設計事務所ではこれまでにも障害者支援施設の設計に携わらせていただく機会があり、ちょうど今も計画中の施設があります。
身近にこういった取り組みを見ると障害のある方の就労やそれを支えるスタッフの方々を応援したくなります。さっそく1階のショップではちみつを買って帰りました。新宿御苑のスターバックスは、環境とコラボレートした空間づくりで場所の魅力を引き立て、心豊かな時間を提供してくれる喫茶店でした。
モノがあふれ、コロナによる自粛が続く現代、こういった体験の価値が評価される時代かもしれません。