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今日の朝刊に小さくこんな記事が掲載されていました。 「実家との別れ」 投稿されたのは50代の女性です。 実家が建てられたのは女性が5歳のとき、かつては家族が暮らした家も今は住む人がなく、築48年でこの春ついに解体することになったそうです。 いざ解体の日を迎えるといたたまれない気持ちで泣きながら見守り、こんなにも別れがつらく切ないことかと実感した、そんな思いがつづられていました。 最後は解体した実家への、たくさんの思い出をありがとう!という感謝の言葉で結ばれています。 この話を読んで、わたしもとても切ない気持ちになり、思わず目が潤みました。 住まいというのは、家族と暮らし地域で日々を過ごした、その大切な思い出とともにあります。 古くなったら壊して新しいものに取り替えればいい、そんな単純なものではない気がします。家という場所には、世代間に渡ってそこで暮らした人の人生の営みが、折り重なっていきます。 過去から現在、そして将来へつながる歴史の価値はかけがえのないものです。 建物を壊すことは簡単ですが、いったん歴史が途切れて失われたものを取り戻すことは容易ではなく、それはお金に換算できないものです。いまは建物の改修でも、かなりのことができるようになってきました。 古い建物も改修や耐震補強による長寿命化が可能です。 既存の建物の趣きを残しながら、これからの住まい方に合わせてリフォームすることもできます。 K2PLANではこれまで様々な住宅の改修設計に携わってきました。 住み慣れた我が家を改修して再生し、安心して大切に住まい続けていただいて、本当によかったと思います。 人の人生に関わる大切な通過点に協力させていただいたことに、いつも感謝の気持ちを覚えます。 改修による再生には、単純に建替えと比較のできない価値があります。 いまある建物を保存し活かして再生することは、更地からの新築以上に複雑で創造的な意味を含んでいます。 耐震性の不安、高齢での暮らしにくさ、空き家問題、、、残念だけどいずれ壊すしかないなあと思っている方も、あきらめずに一度相談してみてほしい、そう思います。 一緒に考えることで新しい希望が見えてくるかもしれません。
by k2_plan
| 2022-04-15 10:42
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