二世帯、多世帯住宅（第２回）

二世帯、多世帯住宅において、皆が気持ちにゆとりを
持って暮らす上でのポイントは、しっかりプライバシー
を守れる場所が確保されていること。
しかし、せっかくの多世帯なのだから、一緒に住むことの
楽しさや安心感も大切にしたいところです。

共用の庭や吹抜をつくったり、居室を雁行させるなど
間取りを工夫することで、「繋がれる」部分と
「離れていられる」部分をつくることができます。

プライバシーとコミュニケーションの匙加減を
ケースバイケースで探って形にするのが、建築家の
腕の見せ所です。

また、集まって住むことで得られるプラスアルファの
存在も見逃せません。
共用できる場所（例えば玄関や階段、キッチンや浴室など）
は、家族のライフスタイルによってはひとつで済む場合
があり、それによって空きスペースが生まれれば、各世帯
がそれぞれ楽しむ趣味のスペースや、皆が集まる場所を
つくるなど、限られたスペースの有効活用が可能となります。
もし敷地にゆとりがない場合でも、屋上や地下室の利用
などで工夫することは可能。
小さな空間でもよいので、お互いの存在を感じられる場所を
つくっておくなど、一緒に住むことを前向きにとらえられる
仕掛けを用意するよう心がけて設計しています。







写真の家…（小石川の家）
子供部屋から祖父母の暮らすフロアに隣接するプレイルーム
に直接下りて行ける、サブ的動線のらせん階段を設けています。
祖父母と孫との交流を深めてほしい、とのお施主様の思いが
こもった、楽しいスペース。